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特性要因図(魚の骨図表)の基礎知識

品質管理用語である「特性要因図(Cause and effect Diagram)」とは、「特性」と「要因」を系統的に図に表したものです。

「特性」とは、「管理によって得られる指標(在庫金額、不良率 etc.)、クレーム、トラブルなどの問題」であり、「要因」は「特性に影響するであろう管理の項目・発生した原因」を意味しています。

特性要因図は、QCサークル活動やTQC(統合的品質管理)などを提唱・指導し、日本における品質管理の父と評されている石川薫氏によって考案されました。

そのため、特性要因図は「Ishikawa Diagram」とも呼ばれ、「QC七つ道具」を構成する重要な要素とされています。

特性要因図では、特性と要因を洗い出し、多様な項目をそれぞれマッピングさせ、矢印で結びます。
図表化すると、下図のように、外見が魚の骨に似た形になります。

<特性要因図/フィッシュボーン・ダイヤグラム イメージ図> ※クリックすると拡大されます。


このため、特性要因図は、別名「魚の骨図表 (Fishbone Diagram)」とも称されます。

また、特性要因図は、目的によって以下の2つのタイプに分類されます。

●管理用特性要因図(対策検討型):
実績データが無い状態で、トラブルなどの要因を予防するために、管理が必要と思われるものを、経験や知識、ブレーンストーミングなどから判断し、列挙します。出された要因に対しては、すべてに対策が講じられます。
 
●解析用特性要因図(原因追及型):
実際に得られたデータにより、推測される要因を列挙し、どのように改善するかの対策を練ります。原因が判明してから最終的に対策をする場合と、進めながら随時対策をする場合があります。影響が強いと思われる要因に絞り、特性との因果関係を明確にさせます。

特性要因図の書き方①(エクセルを使って)

品質管理分析の手法の一つ、「特性要因図(Cause and effect Diagram/Fishbone Diagram)」の具体的な書き方について、ご説明しましょう。

手書きで行う場合は、まずはできるだけ大きな紙を用意します。内容がどんどん増えても対応できるよう、A4サイズよりはA3サイズくらいが良いでしょう。もちろん、手書きではなくパソコンを使用してもかまいません。その場合は、ワードよりエクセルの方が適しているでしょう。

1:まずは問題点や解決したい事柄などを明確にします。そして、それを魚の頭部分である右端に書きます。

2:次に、その問題点、つまり頭の部分から、左に向かって大きく太い「背骨」を1本引きます。

3:続いて、問題点の大きな要因(原因)を3〜6個程度洗い出し、背骨の周りに書きます。その先端へ背骨から線を引きましょう。これを「大骨」と言います。生産現場の品質管理では、「材料(Material)」「機械・機材(Machine)」「人(Man)」「方法(Method)」の4Mを大骨とすることが多いようです。

ここで、まだ過去に事例がない場合は、「管理用特性要因図(対策検討型)」とに分類されます。知識や経験、またはブレーンストーミングなどから、考えられる要因を全て列挙するようにしましょう。

反対に、すでに結果が判明していて、それについての原因を見つける場合は、「解析用特性要因図(原因追及型)」を採用することになります。

以上のように、ケースに応じて適切な「特性要因図」を作成することをお勧めします。

特性要因図の書き方②(QCを高める要因分析)

今回は、「特性要因図」の書き方の具体的な解説、その後編です。

4:大きな特性要因である「大骨」が出たら、その要因となる事柄を考えます。そこから「大骨」に線を引き「中骨」とし、さらにその要因がある場合は「小骨」へと、分岐させていきます。 

5:要因である「小骨」に対して、考えられる原因や解決方法などを、それぞれ書き込んでいきます。複数ある場合は、影響が大きいと思われるものを優先的にチェックします。

要因の要因の要因・・・というように、ずっと追っていくと分岐させた枝は増えていくでしょう。たくさんある要因に重複や矛盾点などが無いか、わかりやすく整理していきましょう。

仮に大骨が見つからない場合は、厳格に手順を守る必要はなく、小骨から書き始めてもかまいません。
臨機応変な手順で書き進めてください。

具体的なデータが無い場合は、結局は今までの知識や勘などに頼ることになり、曖昧だとして躊躇することもあるかもしれません。しかし、それでも良いのです。できるだけたくさんのデータを洗い出しましょう。

なぜなら、漠然とした問題の要因を深く突き詰めて考え可視化することが、特性要因図作成の主たる目的だからです。

また、ここまでで作成した特性要因図は、あくまでも仮説にすぎません。

その後は、実際に改善活動を行うなど、検証を重ねていかなければ、品質管理活動として意味がありません。

もしパレート図から影響力の大きい要因を選び出すことができれば、より絞り込んだ対策を講じることができるでしょう。

特性要因図作成用フリーソフト&有料ソフト紹介

手書きの特性要因図は、資料として添付するには見た目が悪いですね。

特性要因図の作図の段階で書き直しや整理が簡単なパソコンソフトを使用すれば、効率的に見映えのよい特性要因図を完成することができるでしょう。

今回は、特性要因図を作図できるエクセル(Excel)用フリーソフトやテンプレートをいくつかご紹介していきます。

リーズナブルな有料ソフトも含まれていますので、用途に応じて、適宜選択して使用されることをお勧めいたします。

● 特性要因図 魚の骨アドイン
http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se223093.html
フリーソフト

● 特性要因図 フリーテンプレート
http://www.feedsoft.net/template/tplate/tokusei.html
無料

● エクセル革命 XLRV0213 魚骨(ギョコツ) 特性要因図作成
http://rd.vector.co.jp/soft/win95/business/se137597.html
シェアウェア 1,260円

● チャート描画ツール RFFlow 5 日本語版
http://www.xlsoft.com/jp/products/rfflow/index.html
期間限定価格:13,440円~

● EXCEL品質管理 Ver.2.0
http://www.esumi.co.jp/software/detail.php?code=S2052
一般価格:39,900円(市場価格20,000円台)

● 統計解析業務パッケージ JUSE-StatWorks/V4.0シリーズ
http://www.i-juse.co.jp/statistics/product/prodinfo.html
92,400円~

まずはフリーソフトで特性要因図作成の手順に慣れ、その後、より高度な使用目的を求める場合に、シェアソフトの購入を検討してみるというのが、特性要因図作成用ソフトの有効活用のコツと言えるでしょう。
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